【指導案】「『鳥獣戯画』を読む」6年国語

説明文5・6年

単元の流れ

「『鳥獣戯画』を読む」5時間扱い
  • 1時間目
    「『鳥獣戯画』を読む」とは、どういうことか

  • 2時間目
    文章の構造を考える

  • 3時間目
    筆者の「読んだ」みりょくを考える①

  • 4時間目
    筆者の「読んだ」みりょくを考える②
  • 5時間目
    みりょくを伝えるための工夫を考える

「文章と図を結びつけながら読む」ことや、鳥獣戯画の魅力を伝えるための「筆者の表現の工夫」について学習していく。次の「発見、日本文化のみりょく」の活動を意識しながら、つながるような学習形態を考えていく。

1時間目

「『鳥獣戯画』を読む」とは」
  • 15分
    教師の範読

     段落分け

  • 15分
    「『鳥獣戯画』を読む」とは、どういうことか

         〜について考える。みりょくを考える。

  • 15分
    単元の目標の共有・音読

    『鳥獣戯画』「人類の宝」であることを伝えるため、どのような表現の工夫をしているのか

タイトルを読む

「絵」を「読む」と表現している著者の意図を考え、単元を通した学習目標について共有する。

「国宝」であるだけでなく「人類の宝」とまで言う著者が、『鳥獣戯画』の素晴らしさをどのように表現しているのか学習する。

「発見、日本文化のみりょく」の学習で、「日本文化を発信しようパンフレット」を作ることを紹介。紹介したい日本文化を考えておくことと、この説明文で良さの伝え方・表現」を学び、パンフレットにいかすことを伝える。

2時間目

文章の構造を考える
  • 10分
    音読練習

  • 30分
    文章の構造を考える

    ◎「3枚の絵について、語っているのは、それぞれどの段落か」

  • 5分
    文章の構造まとめる

     ノート(ワークシート)にまとめる

「『鳥獣戯画』を読む」文章の構造の特徴

「中」(1〜8段落)/「終わり」(9段落)の構造。「尾括型」。

「題名」が「初め」の問題提起、という見方もできる。

3時間目

筆者の「読んだ」みりょくを考える①
  • 5分
    音読練習

    「何がみりょくと言っているのか、考えながら読もう」

  • 30分
    みりょくを伝える表現を見つける

    みりょくを伝えている部分の教科書の文章に線を引く

    絵について《根拠》(直線ー) みりょくについて《意見》(波線〰️)

  • 10分
    「絵」と「文章」の関係に着目する

    直線を引いた教科書の文章を、絵巻の図に矢印で結びつける

みりょくを伝える表現を見つける

9段落:筆者の主張「鳥獣戯画は、だから国宝であるだけでなく、人類の宝なのだ。」これを伝えるために、どのような表現の工夫をしているか。(文章に着目)

       ↓

その根拠は?絵巻のどこ? ◎「絵と文章の関係に注目してみよう」

4時間目

筆者の「読んだ」みりょくを考える②
  • 10分
    音読練習

     

  • 25分
    「絵」と「文章」の関係を、共有する

    それぞれ見つけた「みりょく」について伝え合う

  • 10分
    文章の構造まとめる

      ノート(ワークシート)にまとめる

3・4時間目の活動はセットで考える。①全体で活動内容を共有 →②個人でやってみる →③時間をあけずに、友達と確認し合う

「自分で考える→友達と確認」という時間の区切りではなく、初めは友達と確認しながら作業を進めることで、自信をもって活動することができるようになる。

5時間目

「みりょく」を伝えるための工夫を考える
  • 5分
    音読練習

     

  • 30分
    「みりょく」を伝えるための工夫を考える

      ①論の展開 ②表現 ③絵の示し方

  • 10分
    文章の構造まとめる

      ノート(ワークシート)にまとめる

伝えるための工夫

「どんな工夫があるかな?」児童から出てきたことを、①論の展開 ②表現 ③絵の示し方 の3つに区分する。

①論の展開: 話題の順番

 漫画→アニメ→絵巻物 と身近な話題から順に語っている 効果:親しみやすさ

②表現: 語りかけるような文末

 「どうだい。」(語りかける)「返し技。」(体言止め) 効果:リズム・読みやすさ

③絵の示し方: 図の活用(絵と文章の結びつき)

 絵と文章を照らし合わせて進む。「ぱっとめくってごらん」 効果:わかりやすい

実際の授業では、①(教える)②(見つけてみる)③(教える)としてみた。児童の言葉を使いながら伝えた。

児童から出てこないことは、無理せず教えて確認させることで、テンポもよく、児童も納得する。「自分でも書くときに使ってみようね」と納得した表現の工夫は、文章を書く際に使える技になることを伝える。

次時「「発見、日本文化のみりょく」

「文章と図を結びつける」ことや、鳥獣戯画の魅力を伝えるための「筆者の表現の工夫」について、次の「発見、日本文化のみりょく」につなげることを児童にも意識させる。

相手意識・目的意識を明確にした単元の設定をする。

例:「今、日本人に伝えたい、日本文化の『みりょく』を伝えよう」など

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