タイプ別、パリおすすめレストラン

フランス旅行

パリオタク歴20年、渡仏8回目の私ですが、パリのレストランを楽しめるようになったのは、最近です。最初の頃は一人旅が多かったので、レストランに入る勇気がなく、スーパーでお惣菜を買うことが多かったです。「温かい食べ物が食べたいなあ」と思いながらサンドイッチをかじっていた頃が懐かしいです。メニューの見方もわからなかったので、うっかり伝統的なフレンチのお店に入ってしまったらどうしようと、入りやすいお店を見つけるためにうろうろしていたものです。

でも、長年パリ行きを続けていたおかげで旅に行く連れができたり、レストランで落ち着いて振る舞える年齢が追いついて来ました。何より、googleマップやgoogle翻訳があれば、入りやすいお店を見つけたり、食べたいメニューを見つけることが簡単です。旅人に優しい時代になりました。

今回パリに3日間滞在した中で、訪れた店3軒をタイプ別に紹介します。

1.やっぱり入りやすいのはチェーン店

Léon de Bruxelles(レオン ド ブリュッセル)

パリにいくつか店舗のあるムール貝のお店。ファミレスのような雰囲気や写真入りの英語メニューが、パリ初心者を受け入れてくれているような感じがします。初めてのパリから毎回お世話になっているチェーン店です。

ここでは鍋いっぱいのムール貝をいただけます。当たり前のようについてくるパンやポテトは、食べ終わった後のスープに浸して食べても美味しい。(注文していなくてもパンやポテトが添えられるのは、フランスのビストロではよくある光景です。)

チェーン店ならではの見つけやすさや入りやすさ。メニューも見やすく、お得なセットもあります。入りやすいお店を見つける、あと一歩の勇気や気力のない時もおすすめです。

2.日本人シェフが作るフレンチ

Calice

日本人シェフ+フレンチの融合。そして、見た目の美しさがこのお店の推しポイントです。

日本で「グランメゾン東京」や「グランメゾン・パリ」を観て、フレンチにお皿の上の芸術を求めてみたくなりました。入りやすいビストロの多くは、良い意味で「素朴で食べ応え抜群」。そんな日常遣いのフレンチを味わいたい日もあるけれど、一皿の美しさにこだわったお店に行きたい。そんな時に利用したお店でした。

注文を受けてくださったのは日本の方でした。思わず日本語で話しかけてしまい、緊張がほぐれていきました。その後、ワインや料理を運んでくださる人は外国の方でしたが、とっても感じの良いスタッフさんばかりです。過剰サービスに慣れている日本人にとって、海外旅行での店員さんにそっけない対応をされると、気持ちがくじけそうになってしまうことがよくありました。ここでは温かい気遣いのできるスタッフさんばかりで、心底落ち着いて食事を楽しむことができました。

3.フランスの伝統的な大衆食堂

Bistrot Victoires(ビストロ・ビクトワール)

鴨のコンフィ、牛肉のタルタル、エスカルゴ・・・。フランスの伝統料理を味わいたい。しかも、地元の方もおすすめする人気のビストロに行きたい。そんな思いを叶えてくれたお店です。

ネット予約をしていないようだったので、行列ができる前にと11:30の開店時刻に合わせて行きました。(電話予約はしているようですが、難易度が高いですよね。)その時間には、アジア人のお客さんが何組か訪れていました。旅行者だけが目立ったので、「サイトで人気なだけなのかな」と思っていましたが、メニューと睨めっこしているうちに、気がつけば地元の方らしいお客さんたちでいっぱいになっていました。早めに来てよかったです。

お店は広いのですが席の間隔が狭く、二人席では、テーブルを動かして奥の椅子に座ります。隣は日本人の二人組だったのですが、お互いの旅行の行程を聞いたり牛のタルタルのソースを貸し借りしたりと、必然的に交流が始まりました。反対側は地元の方のようでしたが、食べていたお魚料理が美味しそうで、同じものを追加で頼んでしまいました。隣席との極狭な間隔も良いものです。

ちょっとラフな感じのスタッフは、大人数のお客を回すのに忙しそう。お会計もスタッフのタイミングで来てくれます。追加の注文をするときにスタッフがつかまらなくて、自分から声をかけたら、なんとトイレに行こうとしていた他のお客さんに注文していました。笑顔で対応してくれるお客さん、トイレから戻ったときにも「ご注文は?」とかまってくれました。ごめんなさい。完全に私たちのミスだけど、スタッフさんとお客さんを見分けるのが難しい。変なところにつまずきがあるものです。本当のスタッフは忙しく働いていますが、隣の日本の方に「それ量が多いから、注文を減らした方がいいよ」など、丁寧に対応していました。忙しく働くギャルソンはかっこいいですね。

ビストロ豆知識、あれこれ

チップは義務ではなく、感謝

海外でレストランに入るのが怖い理由の一つに、「チップ文化がわからない」というものがありました。結論から言うと、フランスで基本的にチップは不要

レシートを見てみると、「サービス料込み(service compris)」との記載があります。基本的なサービス料はレシートの金額に入っているため、改めて払う義務はありません。

現金で支払う場合は、お釣りの小銭を残して去ることもありますが、日本以上にキャッシュレス決済が浸透しているフランスでお釣りが発生しなかったこともあり、チップを払いませんでした。他のテーブルでもチップを置いている様子は見られませんでした。必要に感じる場合は、ビストロでは€1〜2をテーブルに置いて去るのも良いかと思います。

ワインはテイスティングから

ビストロやレストランに行って、ワインを注文。空のグラスにワインが注がれます。「少ない!」と一瞬驚いてしまいましたが、驚きを隠してテイスティングをしましょう。「O.K」と合図をすると、通常の量が注がれます。完全に勘でやった行動でしたが、どうやらこれで良いらしいです。

ワイン提供の際は、「ボトル(ラベル)の確認」「テイスティング」「サーブ(他のゲストにも)」という流れで行われます。その際、

C’est bon.(大丈夫です)/ Très bien.(とても良いです) / Parfait.(完璧です)

このような簡単なフランス語が出てくると、より自然です。

お腹の空かないフランス

「フランスに行ったら、カフェやビストロで料理を楽しみたい」そんなふうに思っているのに、ランチをきちんと食べると、夜になってもお腹が空かないということが続きます。

これは個人的な問題でもありますが、考えられる理由として、メインディッシュに付けられるたくさんのパンやポテトのせい。人気のビストロであるほど、パンもポテトも美味しくてたいらげてしまいますが、やはり炭水化物はお腹にたまります。

あとは、メインディッシュのソースのバターやオイルが、和食に慣れている日本人には、お腹にたまってしまうのかもしれません。

若い頃はもっと食べられた気がする・・・。と言うことで、完全に個人的な話でしたが、心当たりのある年齢の方は、食べたくても食べられない可能性があると予想した上で、「食べたいものから」、「行きたい店から」攻めていくのが成功法です。

また、「前菜+メイン+デザート」を全て注文する必要はなく、「前菜+メイン」「メイン+デザート」という注文の仕方も一般的。とりあえず、「前菜+メイン」を頼んで、「デザートは後で考えます」というのもありです。

注文がスムーズになるには

鴨、ウサギ、仔羊など、お肉料理一つとっても日本では馴染みのないものも多いですね。また、「・・・〇〇風・・・ソース添え」など、料理名が長いことも、読解困難になる理由。

グーグル翻訳で対応できるところではありますが、勉強する余裕があるのであれば、鴨、牛、仔羊など、食べたい「肉の種類」の単語のみ覚えていくことをお勧めします。長いメニューの先頭に来ているのが、「肉の種類」です。

また、その後聞かれることを予想しておくと、注文後の会話のラリーに戸惑うことが少なくなります。ステーキを注文したら、焼き加減を聞かれることがあるので、自分の好きな焼き加減を言えるようになっておく。水を注文したら、「ガス入り(炭酸水)」か「ガスなし」か(ミネラルウォーターか水道水かなども)聞かれるので、心づもりしておく。予想しておくだけで、注文のやり取りが楽になります。

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